ヒプノセラピーの勉強にしても、ホメオパシーにしても、大きなことにチャレンジするときはいつもそうなのだが、突然に決めて、自分でいうのも何だが、いったん決めたら実行は素早い。だから、その代わり、何も知らない状態での出発になる。私はヒプノセラピーの勉強を始めるまで、「インナーチャイルド」という言葉を知らなかった。最初に聞いたとき、「・・・なにそれ。・・・怪しい言葉」と思った。ほんとに無知だった。
今はインナーチャイルドをクライエントに説明するとき、「置き去りにしてきた子供のころの自分」という言葉を使う。でも、これでもまだわからないよね。

子供のころには、いろんな辛いことがあったと思う。誰にも言えず、ひとりで我慢して抱えて、いつの間にか大人になっていく。それは親のきつい言葉だったり、冷たい態度だったり、学校の先生の言葉だったり、友達に無視されたことだったりする。どれも、子供には悲しいことばかりではないだろうか。そして大人になっても、そのころのことがふっと頭をよぎる。乗り越えたと思っていたのに、忘れたと思っていたのに、何の前触れもなく脳裏に浮かんでは消えたりするのだ。それが、インナーチャイルドからの声なき声である。置き去りにしてきた子供のころの自分からのメッセージなのだ。

このインナーチャイルドに会いに行って手を差し伸べてあげることが、ヒプノセラピーでのインナーチャイルドワークである。大人になったから、してあげられる、言ってあげられることがたくさんあるよね。セラピーをはじめてからわかったのだが、子供のころにいたずらをされた経験のある女性が意外に多い。でも、誰にも言えなかったのだ。そうした深く傷ついた出来事も、インナーチャイルドワークには含まれてくる。
ヒプノセラピーでは、とても大切なセラピーのひとつだ。

今は女性専用のセラピールームなので、男性はご紹介者がいない限り受け付けはしていないが、いつか男性もセラピーできるセラピールームにしたいと思っている。男性にこそ必要なのではないか、と考えさせられる内容のメールをいただく頻度が増えてきている。