昨日、『奇跡体験! アンビリバボー』という番組を見ました。ある日本人女性の催眠療法中の様子が収録されていました。催眠中、女性は、昔ネパール人の男性として生きた経歴をネパール語で話されていました。女性は、ネパールへ行ったこともなく、ネパール語を学んだこともないそうです。番組では女性の前世の人物と思われるネパール人男性の痕跡を探すべく、ネパールへの取材も敢行されましたが、生存していたと思われる年代に、渦中の男性が生きた証拠は得られませんでした。
 
この番組を見ていた皆さんは、どう感じましたか?  私はとても面白かったです。
私の場合も、前世療法の途中から、或いは最初から、母国語と違う言語を話し出すクライアント様は何人かいらっしゃいました。そのほとんどは英語でしたので、途中から英語でのやりとりになることもありました。こういうときのクライアント様は、非常に滑らかなネイティヴのような発音でスラスラと話されます。私はといえば、拙い英語を駆使して一生懸命セラピーを続けるのです。
 
ほかにも、日本人としては発音が難しい言語を話そうとされて、「難しくて発音できない」と言い、日本語にして話されるクライアント様や、催眠中だけなぜか外国人が話すような非常にたどたどしい日本語に切り替わるクライアント様などもいらっしゃいます。セラピー後に理由を尋ねると、聞いたことも話したこともない言語が口をついて出そうになるものの、発音がうまく出来なかった、とおっしゃいます。
私自身も、こうしたクライアント様と同じ経験をしています。催眠中に、聞いたことのない言語が聞こえてきて、意味もわかるのですが、話そうとするとうまく話せないのです。今だに、あのとき自分の聞いた言語が何語なのかわかりません。
 
ふしぎですね。
 
さて、前世で生きたと思われる年代についてですが、番組では女性の語りに合致する年代に特定して検証した結果、前世での人物を確定することはできませんでした。
前世で生きた年代については、これまでのセラピーの経験上、誤差がかなりあるという印象を持っています。中には、本当にご自分が語った年代ぴったりに生きていたそれらしき人物を見つけたクライアント様もいらっしゃいますが、50年程度の誤差は許容範囲だと感じています。人によっては100年程度のズレも見るべきかもしれません。私達だって、時々、今年は何年だっけ? とわからなくなることがありますよね。それと同じです。前世の自分たちも、生きている間は、それほど年代を意識していないと推察されるからです。古い時代に生きていた方はなおさらではないでしょうか。
 
セラピー後、実際に前世療法で見た国へ行ってご自分の痕跡を調べたクライアント様もいらっしゃれば、文献等に当たって調べた方もいらっしゃいます。前世療法の最中にご自分が語った年代のみに絞るのではなく、やや幅を持つことで、興味深い結果が得られたというご報告を頂くのです。
 
ともあれ、前世を探るというのは、スリリングでミステリアスな世界旅行に出るようなものです。前世が実際に在るのか無いのかは、今世を終えてみないと誰も知ることはできないのですから。