トラウマは身体に痕跡を残します。
ヒプノセラピーで、クライアント様の抱える苦しい感情の在りかを身体に移して追求していくと、とりわけ多くの方が指し示す部位があります。喉元から胸の真ん中あたりにかけて、つまり、胸腺のあるあたりです。そこに過去の感情が残っていると認識されるのです。ホメオパシーでは、胸腺のレメディThym-gl (サイマスグランド)はトラウマのレメディとしても有名ですが、実際のところ、トラウマとなる出来事・感情には様々なものがあります。
ヒブノではそのトラウマがどのようなものなのかを更に追求していきます。私はクライアント様を施療させて頂く中で、多くの方の根底にあるトラウマを感じてきました。
「自分は理解されていない。認められていない」という思いです。存在していることさえ認められていない、という思いも含まれます。そこには怒りの感情があります。けれど、もっと深いところには、悲しみと孤独の感情が横たわっています。
「理解されていない、認められていない」という思いは、劣等感や自己否定、更には自己破壊へつながる性質を持っています。これは、あくまでも私のセラピー経験上から言えることですが。そして、こうした思いが、その方の人生の行く手を阻んでいるということも実感してきました。
そうしたトラウマから解放されるのと、物事の流れが変わってゆくのとは、ほぼ同時に起きてきます。
たったひとりでもいいのです、誰かに、「自分は理解されている」と心の底から思えた時です。そう、心の奥底から。この、「誰か」の中には、ほかならぬ自分自身も含まれます。
こうしたことを書きだすと、止まらなくなり、本一冊分にもなりそうなので、いったん筆を置きます。