とある一日

笹団子.jpg
朝起きて、窓のカーテンを開けると、庭に鹿の家族がいました。樹皮や、芽生えたばかりの草を食べています。つまり彼らは、朝ごはんの最中です。
夕方、仕事を終えて庭を歩くと、私の足音に驚いて、鹿が白いお尻を見せて逃げてゆきました。つまり、鹿はおやつを食べていたのでした。
鹿はかわいいのですが、こう毎日食事に来られると、庭の草木がだめになってしまうという思いもあり、私ははっきり理由のわからない負けん気のような感情を鹿に抱いていました。
そんな時、こんな美味しそうな! 上越の笹団子を頂いたのです。
夕方、窓の外を見ると、また鹿がいたので、私は笹団子を手に、しずしずとテラスに出、これ見よがしに、団子を食べ始めました。
「お~っ!  うまっ! うまっ!」
と鹿に向かって自慢しました。我ながら、なんたるオヤジギャグ・・・・・・と呆れましたが。
逃げかけた鹿は、立ち止まってじっとこちらを見ていました。私は立て続けに2包み、平らげました。
笹団子がすごくウマかったのと、鹿に自慢できた(何を?)おかげで、私は満足感と優越感を覚えたのです。
負けん気も失せました。
負けん気の正体は追求しないでおこう。それが自分のためだと、本能的に悟った出来事でした。

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