自分のことを、こう思ったことはありませんか。
自分なんか、いなくてもいい。
自分なんか、何の価値もない。
自分の人生なんか、何の意味もない。

そんなとき、この一編の詩を思い出してください。19世紀のアメリカの詩人、ディキンスンの『エミリ・ディキンスン家のネズミ』(みすず書房)の中に挿まれている詩です。ディキンスンは、生きている間はまったく無名だったそうです。今でこそ19世紀アメリカの重要な詩人のひとりですが、彼女が世の中に知られるようになったのは、死んだ後のことでした。

If I can stop one Heart from breaking

ひとつの心が壊れるのをとめられるなら
わたしの人生だって無駄ではないだろう
一つのいのちの痛みを癒せるなら
一つの苦しみを静められるなら

一羽のコマツグミを
もう一度、巣に戻してやれるなら
わたしの人生だって無駄ではないだろう

この詩には、人が気高く生きていくためのエッセンスが書かれている、と私は感じます。人からどう思われてるとか、友だちがいるとかいないとか、財産があるとかないとか、頭がいいとか悪いとか、顔がいいとか悪いとか、才能があるとかないとか、地位や名誉があるとかないとか等は、その人の心の気高さとはまったく無関係です。

わたしの人生だって無駄ではないだろう

そんなふうに感じられれば、満足だし、幸せ。そうは思いませんか?

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