女優の八千草薫さんがお亡くなりになられてから約一カ月が経とうとしています。訃報に接して、ぽつぽつと蘇ってくる光景がありました。八千草さんのお姿を、当セラピールームのある別荘地内で、何度かお見かけしたときのことです。八千草さんの山荘が同じ別荘地内にあるため、そんな幸運に恵まれたのだと思います。
最初にお見かけしたのは、管理事務所に入っていく八千草さんでした。長い薄手のフレアースカート姿で、管理事務所のスタッフに、「しばらくおりますのでよろしくお願いします」と、あの上品な笑顔で頭を下げておられました。とおっ~っても可憐で素敵だったのを覚えています。なぜ私がその場にいたのかは忘れてしまいましたが(笑)、テレビで見る印象そのままの上品さでしたから、思わず憧れのため息がでたものです。
あのころは、ベンツの赤いジープに乗られていたので目立ち、別荘地のメインストリートを上ってくるお二人の車はすぐにわかりました。運転席には旦那様の谷口監督、助手席に八千草さんの姿がありました。私は犬二頭と散歩中で、道路を渡るためにメインストリートの手前で車が通り過ぎるのを待っていました。
ジープのスピードがふいに落ちたと思ったら、なんと、助手席の窓が開いて、八千草さんがにっこり笑いながら会釈をしてくださいました。優しげな美しい笑顔でした。これを幸運と呼ばずになんというのでしょう。犬好きの八千草さんですから、犬二頭を見て笑顔になったのだと思います。今は亡き犬たちに感謝した瞬間でした。
ご夫婦で、すばらしくきれいなわりと大型の犬二頭を連れて散歩をしている光景にも出会ったことがあります。八千草さんの山荘は当セラピールームのある場所から250Mほど高いところのはずなので、なぜ私の散歩コースで見かけたのかは不思議ですが、とにかく、私も犬二頭を連れていたため(雄が二頭)、私の犬が粗相をしては大変だと思い、ご夫婦を遠目に見ながら離れていった思い出があります。
憧れの素敵な女性がまたひとりこの世からいなくなってしまったのは、さびしいです・・・・。
ご冥福をお祈りいたします。